和紙の店 うめ田

【店舗】
〒915-0232
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FAX/FAX:0778-43-0460

【本社】
〒915-0234
福井県越前市大滝町30-2
TEL:0778-43-0459

[営業時間]
店舗:10:00~18:00
日曜・祭日 10:00~17:00
本社:9:00~17:00

[定休日]
店舗:年末年始(12/30~1/3)
本社:土日祭日

和紙について

歴史

"紙"の始まり

世界で最も古い紙としては、中国の前漢時代のものが発見されています。
麻のぼろ布や樹皮などから紙を作ったのは、蔡倫(さいりん)という宮廷の役人で、西暦105年(後漢時代)に製紙法を確立したことにより、以後実用的な紙がつくられていくようになりました。

"紙"という漢字は、意味を表す「糸」と音を表す「氏」が組み合わさってできた形成文字です。糸は「蚕のまゆのいと」、氏は平たいものといったような意味を示していると言われています。"紙"は元来『原料となる植物から繊維を取り出し、水中で薄く平らに漉きあげて作られたもの』ですが、近年の素材における技術革新などによって、今日の日本工業規格(JIS)では、紙は『植物繊維その他の繊維を絡み合わせ、膠着(こうちゃく)させて製造したもの』と定義されています。

日本への伝播

日本に伝わったのは今からおよそ1400年前の推古18年(西暦610年)のことです。高句麗の僧・曇徴が、墨とともに製紙法を日本に伝えた、と『日本書紀』に記されています。


当初の紙の使用目的は主に写経や戸籍作成などの公文書でした。しかし平安時代に入ると和歌や漢詩、書など、貴族の間で用いられるようになり、料紙として薄葉の「雁皮(がんぴ)」が使われるようになりました。その当時はまだ、紙は上流階級を中心に使われる高価なものでした。時代とともに紙の用途も広がり、江戸時代になると雁皮の代わりに比較的栽培しやすい「三椏(みつまた)」を原料にした紙も普及するようになり、浮世絵や草子本から、障子やふすま、番傘など、あらゆる庶民の生活に必要なものが紙で作られるようになりました。

こうして、紙作りの技術は日本全国に広がり、各地域それぞれに適した特性、さまざまな製法により紙がつくられていきます。そして、自然な強さと美しさを兼ね備えた日本独自の紙、"和紙"として発展を遂げることになったのです。

和紙の原料

古くから和紙の原料は、楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)の靭皮(植物の外皮の下にある柔らかな内皮)繊維を中心に使われてきました。
それぞれに優れた特質があり、繊維が長くて強靱で、光沢があり、和紙の特徴である薄くて強い性質を表しています。

楮(こうぞ)

クワ科の落葉低木で、成木は3mあまりになり、栽培が容易で毎年収穫できます。
繊維は太くて長く強靱なので、障子紙、表具洋紙、美術紙、奉書紙など、幅広い用途に原料として最も多く使用されています。

三椏(みつまた)

ジンチョウゲ科の落葉する低木植物で、枝分れの状態がほとんど三つになっています。成木は2m余りになり、苗を植えてから3年枚に収穫できます。
「みつまた」という呼び方は、今日では一般的な呼び方ですが昔は駿河、伊豆地方の方言のようで三河地方のじゅずぷさ、伊勢地方のみつえだ、中国、四国地方のみつまたやなぎ或いはむすびき、高知ではやなぎ又はりんちょうと産地によって色々な呼ぴ方があったようです。

雁皮(がんぴ)

ジンチョウゲ科の落葉低木で、成木は2m余りにもなります。
繊維は細く短く光沢がある優れた原料ですが、成育が遅く栽培が難しいので自生している雁皮を生剥ぎにして捕獲します。
生剥ぎにするため収穫時期は水揚げの良い春から夏にかけて収穫されます。

和紙と洋紙の違い

明治時代以降に欧米から伝わった紙を「洋紙」と呼び、それに対して日本の伝統的な製法で作る紙を「和紙」と呼びます。
どちらも植物の繊維から作られていますが、和紙と洋紙の一番の違いは原料にあります。

比較

  和紙 洋紙
主な原料 楮、雁皮、三椏(靭皮繊維) 広葉樹、針葉樹(木質繊維)
紙の強さ 強い。
繊維が太く長いため、強度が高い。
やや弱い。
和紙の原料に比べて繊維が細く短いため強度は劣る。
保存性 高い。
原料に紙を弱くする成分が含まれておらず、繊維を傷める工程もない。
1000年以上保存の実績有。
低い
紙の劣化をすすめる成分も多く含まれているため変色や変質が起こりやすい。
酸性紙なら約100年、中性紙は改善されている。
生産性・原価 原料が限られ、生産性も低いため高価。 機械で大量生産できるので生産性が高く安価